人生儀礼
人生儀礼とは人生の通過儀礼とも呼ばれ、人が生まれて死ぬまでの間、ある段階ごとに行われる儀礼のことを言います。人生をより充実した望ましいものとする為に、人生の折り目を神様に報告し、その御加護を祈願しましょう。
01
子授け・安産祈願
妊娠・出産は両親のみならず、周りの人々にとっても、また産まれてくる子どもにとっても重大な出来事であることは今も昔も変わりません。
子を授かること、健康で無事に我が子を出産すると言うことは今の時代でも簡単なことではございません。

02
名付け(命名)

生まれてきた子どもの命名の儀礼を「名付け」と言います。
現在の民法では生後14日以内に出生を届ける事になっていますので、それに間に合うように行われています。代表的なものとしては、生まれてから7日目のお七夜を「名付けの日」とするのもよいでしょう。
名前が決まると奉書などの白い紙に書いて、神棚に供えたり、床の間に貼ったりします。また、親戚や近所の方を招いて名前を披露し、名付けのお祝いが行われます。
こうして、名付けの儀礼を通して一家一族や、地域社会に新しい生命が加わったことを認めてもらうのです。
03
初宮参り・百日参り
生まれて初めて神社に参ることを言います。
宮参りの場合は男児が生後31日目、女児が生後32日目、
百日参りの場合は、男児は生後110日、女児は生後120日に参詣します。これは1つの目安であり、絶対にこの日でなければならないという事はありません。
その日の主役である赤ちゃんのご機嫌や、天候などを考慮して決めてみてはいかがでしょう。
神様から授かった、母の胎内に宿った命が無事に出生したことに感謝し、健やかに成長するよう祈願する儀式です。
04
お食い初め
生後100日に行う行事です。我が子が一生食べ物に困らないように。と、食事をする真似をさせる儀式で、ご両家のご両親を招いて行います。


05
初誕生
満1歳を誕生日を祝う行事です。この頃からヨチヨチ歩き出したりするので「歩き祝い」とも言います。
一升の丸餅を風呂敷に包んで背負わせる「一升餅」なる行事があります。お餅が丸いことから、また一升を一生とかけて、「一生、円満な人生を送れるように」と願いを込めます。
祝い方は地域や家庭によって様々です。親から子へ受け継がれる伝統を重視してお祝いしてください。
06
七五三
3歳の男女、5歳の男児、7歳の女児のお祝いで、神社にお参りをして神様へ今日までの無事成長を感謝すると共に、成長した姿を神様に見ていただきます。
「7歳までは神の子」と言い、7歳を過ぎてからようやく社会人としての第一歩を踏み出すものと考えられていました。


07
十三参り
平安時代が発祥と言われています。清和天皇が京都の寺院で成人の儀式を行った時に13歳であったため、13歳でお参りに行くのが風習となった行事です。
また、自身が生まれた年の十二支が一周する年でもあります。京都発祥の行事でしたが、長らく関西地方でのみ行われていたのが徐々に広まっていきました。
七五三と同様、これまでの成長に感謝すると共に今後の健康を祈念する儀式です。
08
成人式
子どもから大人の仲間入りをする事を社会に公認してもらう儀礼で、この儀式を経て社会に対する責任と権利が与えられました。
現在は1月第2月曜日「成人の日」という国民の祝日に全国地方自治体で式典や行事が行われておりますが、七五三や十三参りと同様、神様に成人した報告と感謝を捧げましょう。


09
結婚式
結婚は人生の大きな節目です。男女共にさまざまな試行錯誤を繰り返しながら縁を結び、社会の一員として家庭を構えるので、本人同士はもちろんのこと、双方の家族にとっても大きな儀礼であります。
現在、結婚式には神式・仏式・キリスト式・人前式など様式がありますが、どれにせよ契りを交わした以上は、夫婦共に助け合っていく覚悟を持ちましょう。
10
厄祓い・八方塞がり
人は一生のうちに厄難に遭う恐れが多くあります。
生まれた年(数え年1歳(満0歳))を含めて9年ごとに訪れる「八方塞がり」や、特に忌み慎まなければならない年齢である「厄年」を言います。
陰陽道などの影響により、室町時代から公家や武家の社会で信じられるようになり、やがて民間にも拡がりました。
厄難を逃れる方法の1つとして神社で厄祓いのご祈祷があります。お祓いを受けて清々しい1年を過ごしましょう。


11
歳祝い
数え年61歳が人生最後の厄年で、歳祝いの最初の歳であります。61歳「還暦」、70歳「古希」、77歳「喜寿」、80歳「傘寿」、88歳「米寿」、90歳「卒寿」などがあります。
これまでの健康長寿に感謝し、引き続き健康に過ごせるように神社で祈祷をしたり、家族親族で食事会を行います。
12
神葬祭
何人といえど死を免れることはできません。人の死に関する儀式を葬儀を言い、神式によって営まれる葬儀を「神葬祭」と言います。
いくつもの儀礼を通過して、人間は最後の儀礼である葬儀を通過することによって、魂が帰幽していくのです。

